Happy Rug Market

【連載】ラグのある暮らしを訪ねて。

【連載】ラグのある暮らしを訪ねて。
vol.02 スタイリスト・西川容代さん

西川容代さんは、衣装や小物だけでなく、インテリアから料理まで衣食住さまざまな分野で活躍しているスタイリスト。名古屋市を拠点とするクリエイティブ集団「MAISONETTEinc.」の一員でもあります。そんな西川さんは、同じ市内にあるレトロマンションで、2匹の愛猫とともに“ラグのある暮らし”を満喫中だそう。ご自宅にうかがってみると、そこには訪れた誰もがくつろいでしまうような、自然体で、心地いい空間が広がっていました。

フロアライフコンシェルジュ

濱口 知大

濱口 知大ブランドマネージャー

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そのためのサポートをスタッフと一緒に精一杯努めさせていただきます。

まるで遊牧民が住む家のような、居心地のいい部屋

まるで遊牧民が住む家のような、居心地のいい部屋

西川さんが暮らしているのは、コロンとした四角い形がかわいい、住宅街の一角にたたずむレトロマンション。日中は主にアトリエやオフィスがある「MAISONETTEinc.」で過ごしており、自宅はもっぱら愛猫「タナカ」と「ナナ」との生活の場となっています。ここに引っ越してきたのは今から5年ほど前。その理由のひとつは、なんと「ラグが敷けるから」だったそうです。


「ずっと古い家が好きで、以前は古民家のような、木造で畳の部屋にばかり住んでいたんです。でも、賃貸だったこともあって、気に入ったラグがあっても壁に飾ることくらいしかできなくて。スタイリストという職業柄、それが残念だったんですよね。そんなときにこの物件を見つけて、『あ、ここならいっぱい敷ける』って思ったんです(笑)」


部屋の間取りはシャビーな雰囲気の1LDK。広々としたキッチンとリビングがひとつながりになっているのがお気に入りだと言います。そして西川さんの言葉どおり、部屋の中のあちこちに、さまざまな大きさのラグやマットが。

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「モンゴルの遊牧民が暮らす『ゲル』みたいにしたいなと思ったんですよ。引っ越した当初はそれこそ何枚も敷いて、クッションもたくさん置いていました。好きなところでくつろげるようにしたかったんです。友人を呼んで座卓で食事をしたり、床でそのままゴロゴロしたり。気分が落ち着くというかホッとするというか、床で過ごすのが好きなんですよね」


実は取材時にも料理を振る舞ってくれた西川さん。どれもしみじみおいしく感じられたのは、この空間で味わったせいもあるのかもしれません。その居心地の良さは、近寄ってきた猫とついじゃれてしまったり、取材中であることを忘れてそうになるほど。

込められた思いや祈りを、ラグを通して受け継ぐ

込められた思いや祈りを、ラグを通して受け継ぐ

そのリビングに敷かれていたのは、ボタニカルな文様が施された大きなラグ。ブラウンを基調とした色合いが、経年の味わいが感じられる部屋の雰囲気と調和しています。「ここで過ごすのが好き」という西川さんにこのラグについて尋ねてみると、こんな答えが。


「OLAibiさんというアーティストがいて、その方は東京と鳥取で二拠点生活をしていたんです。最近亡くなってしまったんですが、森を自分で切り拓いて、すごくすてきな小屋に住まわれていて。たまにご自身で買い付けてきて“ラグ展”をやっていたんですよね。それにうかがったときに購入したものです。ラグとの出会いって、ご縁やタイミングが大事だと思いますね」


西川さんの好みは、毛足が長すぎず短すぎず、天然の素材が使われていて、優しい色合いのもの。なかでも、伝統的な柄があしらわれているものに惹かれるのだそうです。Happy Rug Marketのラグでは、「ゴブラン織りラグ」の上品で繊細な柄が好みだと教えてくれました。

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「国や地方によっていろいろな柄があって、そこには大切に受け継がれてきた祈りが込められていますよね。そんな、生活や思想が垣間見られるものに魅力を感じるんです。ヴィンテージラグもすごく好きで、バトンが渡された気持ちになります。愛用しているシルクの絨毯があるんですが、買うときはすごく迷いました。というのも、『こういうのって、おばあちゃんから受け継いだりするものなんじゃないの?』と思ってしまって(笑)」


お気に入りのひとつが、寝室に敷いている赤いヴィンテージのラグ。毛足が擦れてところどころ薄くなっているというその一枚は、「いろいろな部族で使われてきたものだ」と説明されて購入したものだそう。その店主からもらったという文様の説明書を手に、こんなエピソードも話してくれました。


「最初はどうだろうって思ったんですよ。すごく大きいし、全面が赤いのはインパクトが強すぎないかなって。でも、店主のおじさんからその赤色も自然の素材で染められていると聞いて、すごく感動したんです。それで、なかなか出会えるものではないからと思って、思い切って買ったんですよね。ところが、いざ敷いてみたらすごく馴染むんです。自分も使わせてもらっているんだなぁって実感しますね」

「何でもあり」、だからこそ暮らしは楽しくなる

「何でもあり」、だからこそ暮らしは楽しくなる

これまでさまざまなラグとの出会いを繰り返してきた西川さんは、プロのスタイリストでもあり、いわば“ラグづかい”の達人。そこで、ラグのある暮らしを楽しむためのポイントを教えてもらおうと思ったところ、その答えは、ちょっぴり意外なものでした。


「ごらんのとおり、壁紙も家具もいろいろなテイストのものが混ざっていますよね。ラグもいろいろな大きさのものを何枚も重ねたり敷いたり。そういうことに抵抗がないのは、ある意味では職業柄かもしれません。あまり気にせず、単純にいいなと思ったものを買っちゃうんです。いろんな場所に置いてみて、ここが意外といいな、なんて思ったり。『何でもありかよ』っていうインテリアです(笑)」

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西川さんの言葉どおり、部屋の中にはさまざまなものたちがひしめいています。目を引く三角形の木製キャビネットにはさまざまな器が並び、部屋の片隅には階段もあれば火鉢も。部屋の雰囲気も定期的に変えたくなるそうで、ラグも夏は素足に気持ちのいいギャベ、冬は毛足の長いウールのものと、季節ごとに選ぶのだそう。西川さんのライフスタイルは、あくまで自然体です。


最後に、これからどんなラグが欲しいかとたずねたところ、「猫の毛でラグがつくれないかな?」と笑いながら、こう答えてくれました。


「ラグって、部屋のイメージをガラッと変えてくれますよね。でも、敷ける場所が限られていると選べるものも限られてくる。そういう意味で、ここで暮らすようになってから楽しみが増えました。そして選ぶときはやっぱり、すてきだと思えるかどうか。ちょっとニヤニヤしちゃうようなお気に入りを見つけたいですね。お洋服を選ぶときと似ているのかもしれません。でもお洋服以上に、ラグは毎日一緒に過ごすものですからね」