Happy Rug Market

【連載】ラグのある暮らしを訪ねて。vol.08 村井さん夫妻〈前編〉 special/column/16
【連載】ラグのある暮らしを訪ねて。vol.08 村井さん夫妻〈前編〉

【連載】ラグのある暮らしを訪ねて。
vol.08 村井さん夫妻〈前編〉

ふたりの子が独立し、現在は定年退職した夫との生活を楽しんでいる村井さん。住まいがあるのは千葉県内の、緑あふれる環境の住宅地です。アメリカでの新婚生活、日本での賑やかな子育てを経てたどり着いたのは、互いのペースに合わせ季節の移ろいを楽しむ、シンプルで快適な暮らし方。そんな大人のライフスタイルにラグを取り入れてみると——。前編・後編に分けてお送りします。

フロアライフコンシェルジュ

畠 あけみ

畠 あけみ インテリアコーディネーター / カラーコーディネーター
リビングスタイリスト / キッチンスペシャリスト

一枚のお気に入りの敷物に出会っていただくためのお手伝いが出来ればとても嬉しく思います。

自然素材にこだわった、“モノを置かない”主義の家

自然素材にこだわった、“モノを置かない”主義の家

窓から望む爽やかな緑に、木肌を生かした柱や梁、キッチンとダイニングが斜めに接続した間取り。山間のオーベルジュを思わせる村井さんの一軒家は、自然環境と教育・医療施設が充実した、落ち着いた住宅エリアにあります。完成したのは今から約30年前のこと。当時、人気の高かった分譲地に縁があり、家を建てることになったのだそうです。


「以前からなじみのあるエリアで、暮らしやすさに魅力を感じていました。敷地が崖に面した五角形の変形地で、ハウスメーカーさんからは敷地の真ん中に四角い家をポンと置くようなプランを提案されたんです。そのなかで、敷地に合わせて建物をキュッと曲げた面白い図面を引いてくれた設計事務所にお願いしました。その設計士さんがこだわりが強くて、その人の熱意に引きずられていった感じですね(笑)」


当時、村井さんの上の子は5歳、下の子は1歳と、子育ての真っ最中。余裕のない中でも、こだわったのは自然素材を使った家にすることでした。あえて梁を見せる開放的な天井や、吸湿性の高い白い漆喰の壁はその一環。また、建物の南側には長めの庇を設け、夏は心地よい日陰をつくり、冬は低い日差しを室内の奥まで招き入れる、日本の気候風土に寄り添った設計に。広々とした空間も魅力的です。

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「子どもが小さかった頃はリビングと和室を開け放して、家の中でサッカーをしていましたね。友だちも大勢呼んで、いつも子どもたちが家中を走り回りながら遊んでいました。家の外には自転車がたくさん、玄関には靴だらけ。私たち夫婦の友人をこの家に招くことも多くて、本当に楽しい子育て時代でしたね」


ただし、賑やかだった当時も、夫婦ふたりの落ち着いた生活を送る今も、変わらないのは「モノを置かない」という哲学。クローゼットや収納棚の多くは造り付けで、部屋の中に大型家具は見当たりません。これは掃除のしやすさを第一に考えた結果で、それによって生活感が抑えられています。とはいえ、そこには夫婦のちょっとしたせめぎ合いもあるのだとか。


「夫はけっこう持ち物が多いんですよ。とくにコロナ禍で在宅勤務が始まってからは、キャンプによく行くようになって。やり出すと凝る人なので、用具がどんどん増えていって。いつも『ここから出さないで』って言っています。日々、戦いです(笑)」

季節を楽しむインテリアは、アメリカでの暮らしが根底に

季節を楽しむインテリアは、アメリカでの暮らしが根底に

そんな整えられたシンプルな空間に彩りを吹き込んでいるのが、季節ごとのインテリア。家の設計同様、四季の移ろいを感じることも村井さんの哲学のひとつです。十数枚所有しているというクッションカバーや多種多様なテーブルクロスでコーディネートを楽しんだり、通りに面した窓辺には月ごとのディスプレイを設けたり。


「クリスマスには家の外壁にイルミネーションを設けますし、窓辺のディスプレイは月に1回、必ず模様替えをしているんです。十五夜のお月見から始まって、ハロウィン、芸術の秋、クリスマス、お正月、節分と、1年間のテーマは決まっています。これが意外と好評で、近所の方から『今月はまだ?』と催促されることもあるんですよ(笑)」

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部屋にモノを置かず、季節とともにインテリアやディスプレイを楽しむ。そんな村井さんの暮らしのベースには、新婚時代を過ごしたアメリカでの原体験がありました。当時、村井さんの夫がシカゴに長期赴任するためコンドミニアムを購入、その後結婚したことで、村井さんも移住し、およそ1年間アメリカで暮らしたのだそうです。


「段ボール5箱だけを持ってシカゴに行ったので、親からは『かわいそうなお嫁さん』と言われましたけれど(笑)。現地で驚いたのは、DIY精神が根付いていて、なんでも自分たちでやっていたこと。家や庭に手をかけてきれいにして、古いものも上手にディスプレイして。この家のオープンクローゼットやテレビの収納も、シカゴでの経験から取り入れたものです。若い頃に海外の文化に触れて、影響を受けましたね」

唯一のラグは、義母から受け継いだ赤いパキスタン緞通

唯一のラグは、義母から受け継いだ赤いパキスタン緞通

アメリカ生活時代に手に入れた真鍮の洗濯桶や消火器といったアンティークアイテムは今も現役で。そのほかにも古い砲弾ケースをペットボトル入れに活用したりと、「古いものを新しい役割で使う」のも村井さんが大切にしていることのひとつです。コンソールとして使っているのは古い足踏みミシンで、これは義理の母から譲り受けたものだそう。この義母とのラグにまつわる思い出もあるそうで……。


「義母が住んでいた青森の家では、冬になると絨毯を一面に敷いていたんです。その義母がある日、東京に親族のお見舞いに来た際に『治療に100万円かかる』という話を聞いてショックを受けたらしくて。その帰りに日本橋三越に寄ったときに『同じ100万円なら絨毯に使っちゃえ』と、ものすごく立派なラグをいきなり購入したんです(笑)。思い切りが良くて面白い人で、忘れられない話ですね」

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義母の100万円の絨毯は大きすぎて村井さんの家には合わず。その代わりというわけではありませんが、村井さんが現在所有しているのが、赤を基調とした小ぶりなパキスタン緞通。夫と義母が海外旅行に出かけた際に購入したもので、義母から受け継いだ大切な一枚です。ここにも、古いものも大切にしたいという村井さんの思いが込められています。


ただし、モノを置かない主義の村井さんは「床をキュッキュと拭くのが気持ちいいから」と、これまで積極的にラグを取り入れてこなかったそう。そこで今回、Happy Rug Marketからいくつかのラグをお送りし、ご自宅で試していただくことに。「いろいろなラグを実際に敷いてみたら、今の家にマッチするものもあれば、印象がガラリと変わるものもあって発見がありました」と村井さん。実験的な“敷き比べ”の様子、そして村井夫妻の現在のライフスタイルとは? 後編へと続きます。


後編に続く(●月●日公開)

村井さん夫妻が気になったアイテム