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【連載】ラグのある暮らしを訪ねて。vol.07 古物商・江畑功さんと輸入代理店勤務・泊里美さん〈前編〉

【連載】ラグのある暮らしを訪ねて。
vol.07 古物商・江畑功さんと
輸入代理店勤務・泊里美さん〈前編〉

音響機器やカメラを扱うオンラインショップの経営者・江畑功さんと、海外の電子部品を輸入販売する会社に勤める泊里美さんは、千葉県印西市で暮らすパートナー同士。現在ふたりは、新たな生活に向けた拠点づくりの真っ最中。昨年には一軒家を購入し、今は敷地内に新たな拠点としてガレージハウスを築こうとしています。そのライフスタイルからは、自由と豊かさを追い求める生き方が垣間見えました。前編・後編に分けてお送りします。

フロアライフコンシェルジュ

濱口 知大

濱口 知大ブランドマネージャー

お客さまご自身のフロアライフの快適さや癒しなど、心の豊かさを届けたいと思っています。
そのためのサポートをスタッフと一緒に精一杯努めさせていただきます。

好奇心旺盛で自由な、ふたりのライフスタイル

好奇心旺盛で自由な、ふたりのライフスタイル

千葉県印西市は、駅周辺に大型商業施設や集合住宅が立ち並ぶ一方、1990年代にニュータウンとして開発され今なお豊かな自然が残るまち。江畑さんと泊さんは、まさにその緑に囲まれた一軒家に暮らしています。ただし泊さんいわく、「厳密には今は引っ越しの最中」。現在は江畑さんがここにひとりで住んでおり、佐倉市で両親・娘と暮らす泊さんが週末に通っていて、ゆくゆくは家族全員でここで暮らそうと考えているのだそうです。


「当時、彼が住んでいた佐倉市への転居を勧められたんです。そのときは私の家に両親と娘が住み、私は彼の家へ、と思っていたんですよね。でも実際に引っ越してから5人揃って住む方向に話が進んでいって」と泊さん。その佐倉市の家には5人で住むこともできたものの、江畑さんは「僕がライフスタイルへのこだわりが強いから」と、より広い敷地と理想の環境を求めて、この家を昨年8月に購入しました。

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そんなふたりが出会ったのは、今から7年前。千葉県内で美容室を経営していた江畑さんが、より自由な働き方を求めて古物商の世界で事業を始めた頃に、泊さんは子育てと仕事が落ち着いてきた頃に互いに知り合い、すぐに交際に発展しました。江畑さんはその理由を「お互いの考え方が似ていたから」だと振り返ります。


「きっかけは、今流行りのマッチングアプリでした。ふたりとも好奇心が旺盛というか、あっちに行ったり、こっちに行ったり、フットワークが軽いんです。彼女が行きたいところに行くと僕も楽しいし、僕が興味のあることも彼女は楽しんでくれる。そういう感覚が一致しているから一緒にいるのかなって思います。それで今に至っている感じですね」

開放的な空間に互いのセンスが混ざり合う

開放的な空間に互いのセンスが混ざり合う

実は現在、江畑さんが住む一軒家のほかに、敷地内にもうひとつの別棟を建設中。そこが完成したら江畑さんと泊さんが住み、既存の戸建てには泊さんの家族が住む計画なのだそう。「引っ越しの最中」なのはそのためで、今は別宅の工事を進めながら、ふたりの好みのライフスタイルをつくっているところなのだとか。そのインテリアのキーワードは、江畑さんいわく「リゾートスタイル」。


「もともと美容室を経営していた頃に、店舗ごとにテイストを変えたりと、さまざまなインテリアを楽しんできました。モダンなものもあれば、アンティークなものもあって。今も古物商という仕事柄、そういったものに巡り合う機会が多いんですよ。その中でも、僕の軸はリゾートスタイルですね。植物も好きだし、開放感というかTシャツとショートパンツでいられる季節が好きで、夏になると頭の中がリゾートになっちゃうんです(笑)」

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ひとくちに「リゾート」と言っても、アジアン風もあればヨーロッパ風もあり、いろいろなテイストを楽しむのが江畑さんのやり方。実際、部屋の中にはたくさんの植物やモダンなポスター、100年以上前の家具、古いブックレットのページなどがセンスよく散りばめられていました。一方で、泊さんの好みのインテリアスタイルを聞くと「シャビーシック」という答えが。


「私はちょっと洋風な感じが好みといえば好みです。もともとアメリカの文化への憧れがあって。学生時代にロサンゼルスに留学して現地で生活したことも影響していると思います。黒磯のお気に入りのショップ『DEAR, FOLKS & FLOWERS』で購入したドライフラワーや古い花がらのテキスタイルの飾りはお気に入りですね。フェミニンな雰囲気ですが、選んだのは彼なんですけどね(笑)」


モダンとヴィンテージが調和しており、スタイリッシュでもあり、フェミニンでもあり。この部屋はまさに、ふたりのセンスが交ざりあった世界。お互いに影響を与え合っているのだと話してくれました。

ラグは、ファッションアイテムのようなもの

ラグは、ファッションアイテムのようなもの

インテリアと同じように、ラグに関しても、泊さんは江畑さんからの影響を受けていると言います。きっかけは、新居祝いに江畑さんから毛皮の敷物を贈られたこと。江畑さんは古物市場で「すてきだな」と思ったものをしばしばプレゼントするそうで、「実はそれほどラグに関心がなかった」と言う泊さんもここ数年、魅力を感じるようになったそうです。そして江畑さんにとっては、ラグはいわば「楽しむためのもの」。


「スカーフを巻くとか、帽子を被るとか、バッグを選ぶとかと同じようなものです。誰でもお気に入りのファッションアイテムはいくつも持って、気軽に買い替えますよね。同じように僕もヴィンテージの敷物を何枚も持っています。ふだんはしまい込んでいて、季節ごとに変えてみたり、飽きたら売って新しいものを購入したり。古物商という仕事柄もあると思いますが、コーディネートの一部という感覚ですね」

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実際、この家に合わせてふたりで選んだというお気に入りのテーブルと、手持ちのラグの一部をスタイリングしてくれました。テーブルは家具ブランド「モビリア」の80年代のもの、ラグは色もサイズもさまざまなヴィンテージものを組み合わせて……。昔からヨーロッパやアメリカの古いものが好きで古物商の世界に入ったという江畑さん、実際にアメリカで暮らしていた経験のある泊さんならではのスタイルです。


そして、取材班をもてなすためにふるまってくれた料理も同じ。江畑さんが青じそとシラスのパスタを手早く調理すれば、泊さんがホームステイ先で覚えたというブルスケッタをつくり、ごちそうしてくれました。「好きなものを組み合わせて、うまくコーディネートできたときに喜びを感じる」と江畑さん。その言葉はインテリアだけでなく、ふたりの暮らしぶりそのものにも当てはまるようです。


後編に続く(1月19日公開)